「私、人の気持ちがわからない人間なんです」
今日も、相談に答えていくね。
〈相談〉Tさん・49歳
母に「あんたは気が利かない」、夫に「人の気持ちを考えない」と言われ続けてきました。
自分でもそう思います。だから人と関わる仕事は向いてないと避けてきました。
でも最近、後輩から「Tさんは、ちゃんと話を聞いてくれる」と言われて、混乱しています。
本当の私は、どっちなんでしょう。
Tさん。
先に言っておくね。
長いこと、私も「自分は人の気持ちがわからないダメなやつ」だと思ってた。
大事にしてることほど、「できてない」と言われると刺さる
私の価値観は、「どんな人も、そのまま受け入れること」。
それなのに、近い人から「全然人のこと見てないよね」と言われたことが何度もある。
そのたびに、ものすごくショックだった。
何年たっても覚えてる。
あとで気づいたのよ。
自分がいちばん大事にしてることを「できてない」と言われるから、こんなに刺さる。
どうでもいいことを指摘されても、忘れるでしょ。
刺さって残るのは、そこに自分の価値があるから。
Tさんが「気が利かない」を何十年も抱えてるのは、
人の気持ちをどうでもいいと思ってるからではなく、逆なんよね。
人に言われた自分と、いつもやってる自分
母や夫の言葉は、その人の「気が利く」の定義で測ってる。
お茶を先に出すことなのか、言葉にしなくても察することなのか、人によって全然ちがう。
その定義で測られて「できてない」と言われた記憶だけが、Tさんの自己像になってる。
じゃあ、本当の自分はどこで見るか。
人からどう言われたかではなく、自分がいつも何を求めて動いてるか。
後輩の話を、なんで最後まで聞くの?
頼まれてもないのに、なんで聞いてしまうの?
そこに答えがある。
「気が利かない私」は、人の定義。
「話を最後まで聞いてしまう私」は、Tさんの行動。
行動のほうが、本物だよ。
今日の一歩
紙を半分に折って、左にこう書いてみて。
「人に言われてきた私」
右には、こう。
「頼まれてないのに、いつもやってしまうこと」
右の欄に出てきたものが、Tさんの価値観の材料。
左の欄は、誰かの物差しの記録にすぎないから。
どっちが本当の私か、という問いの答えは、右にしかないんよ。
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