「誰かに聞かないと、何ひとつ決められない」

今日も、相談に答えていくね。

〈相談〉Aさん・50歳

ランチのメニューも、着ていく服も、講座に申し込むかどうかも、誰かに「どう思う?」と聞かないと決められません。

相談して決めたのに、あとから「やっぱり違ったかも」と思う。

この歳になって優柔不断な自分が、情けないです。

Aさん。

情けなくないよ。

決められないんじゃなくて、決めるときに当てる物差しが、まだ言葉になっていないだけ。

人に聞くとき、ほしかったのは正解だった?

思い返してみて。

友達に「どう思う?」と聞いたとき、本当にほしかったのは答え?

たぶん違うよね。

ほしかったのは、「それでいいよ」の一言。

決断そのものじゃなくて、決めたあとの後悔から守ってほしかったの。

だから相手の言うとおりにしても、どこかが乾いたまま。

自分の物差しで選んでないから、手応えが残らないんよね。

スーパーの棚の前で、5分止まる人

いつも誰かに相談してからじゃないと決められない、という方がいてね。

その方も、そんな自分が嫌だと言っていた。

価値観を掘っていったら、出てきたのは「一つひとつ確かめてから選ぶこと」。

スーパーの棚の前で5分止まるのも、申し込みに一週間かかるのも、欠点じゃなかった。

確かめてから選ぶ、その過程にいちばん価値を感じる人だったの。

言葉になった途端、時間をかけることへの罪悪感が消えた。

遅いんじゃなくて、丁寧なんだって。

今は人に聞かずに決めてる。やっぱり時間はかかるけど、決めたあとがぜんぜん違うって言ってた。

今日の一歩

今日、誰にも聞かずに決めたことを、ひとつ思い出してみて。

夕飯のおかずでも、洗濯を回す順番でも、返信を今日にするか明日にするかでもいい。

思い出したら、「なんでそっちにしたのか」を一言だけ書いてみて。

そこに出てくる言葉が、あなたの物差しの、いちばん最初の目盛りになる。

決められない人なんて、いないんよ。

自分の基準を、まだ言葉にしていない人がいるだけ。


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